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「5年後の自分」が描けなくても、大丈夫な理由

9月23日
読了時間: 4分


「5年後、どうなっていたいですか」



キャリアの話になると、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。この質問にすらすら答えられる人を見ると、「みんなちゃんと考えているんだな」と、素直に感心してしまうことがあります。



でも実際のところ、キャリア相談を10年やってきて感じるのは、計画通りにキャリアを歩んできた人のほうが、実は少数派だということです。



心理学者のクルンボルツという人が提唱した理論に、こういう考え方があります。人のキャリアの大部分は、あらかじめ計画したものではなく、偶然の出来事によって形作られている、というものです。ただし、その偶然をただ待つのではなく、好奇心を持って目の前のことに関わってみることで、偶然を自分のキャリアに変えていける、とも言われています。



言い換えれば、目の前に来た小さなきっかけを、面倒だと思わずに一度受け止めてみる。その積み重ねが、後から振り返った時に、いつの間にか自分のキャリアの一部になっている、ということなのだと思います。




私自身のキャリアも、計画とは程遠いものでした



少し自分(カウンセラー:内藤)の話をします。以前、就労支援のプロジェクトに関わっていた時、上司から「パソコンの講師をやってみたら」と声をかけられたことがありました。マイクロソフトオフィスの資格はほとんど取得していたものの、人に教えた経験はなく、正直「自分にできるのだろうか」という不安がありました。それでも、頼まれたことなのでとりあえず引き受けてみたところ、少しずつ形になっていき、気づけば今もパソコン研修講師として続けています。



その後、転職した次の職場で、上司からwebサイトの修正を頼まれたこともありました。それまで触ったこともない分野でしたが、分からないなりに調べながら手を動かしているうちに、なんとか形になりました。これが今、webサイト制作を仕事にしているきっかけです。



振り返ってみると、「これをやろう」と決めて選んだことよりも、「頼まれたから、とりあえずやってみた」ことの方が、今の仕事につながっています。自信があったから引き受けたわけではなく、むしろ「できるかどうか分からない」と思いながら手をつけたことのほうが、ずっと多かったように思います。




一人で描こうとすると、行き詰まることもあります



こう考えると、「キャリアプランが描けない」というのは、決して弱点ではないのかもしれません。むしろ、目の前に来たものに、どれだけ興味を持って関われるか。そちらのほうが、案外キャリアを左右しているように思います。



とはいえ、「目の前のことに興味を持てばいい」と分かっていても、日々の忙しさの中では、何が自分にとっての「小さなきっかけ」なのか、見失ってしまうこともあると思います。一人で振り返ろうとすると、堂々巡りになってしまうことも少なくありません。



誰かと話しながら、これまでの選択や、今気になっていることを言葉にしてみると、自分では気づいていなかった「実は興味があったこと」や「案外楽しんでやれていたこと」が見えてくることがあります。そうした対話の積み重ねが、次の一歩につながっていく場面を、これまで何度も見てきました。



もし今、明確なビジョンが描けなくて焦っているなら、それは計画性がないからではなく、まだ出会っていないだけかもしれません。



ビジョンがないまま進むのは、たしかに心もとなく感じることもあると思います。それでも、その心もとなさごと一度動いてみることで、後になって初めて「これでよかったのかもしれない」と思える瞬間が来るのではないでしょうか。



無理に将来を描こうとするより、目の前のことに、少しだけ好奇心を向けてみること。そこから始まるキャリアも、きっとあります。



もし一人で振り返るのが難しいと感じたら、一度、話しながら整理する時間を持ってみませんか?「何がやりたいか分からない」という状態のままで構いません。これまでの経験の中に隠れている、あなた自身の小さな興味や得意なことを、一緒に見つけていくお手伝いができればと思っています。



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